資産形成と資産運用の違いとは?初心者におすすめの方法を解説
将来のお金に対する不安から「資産形成」をはじめる人が増えています。
老後の資金、子どもの学費、急に収入が無くなったら・・・・・・近年の物価高、低金利に対応するためにも資産形成は必要です。
ただし、ただ貯めるだけでは資金は増えてくれません。そこで「資産運用」でお金自身に働いてもらい、増やしていくことが大事です。
資産形成と資産運用、似ている言葉ですがどう違うのでしょうか。
それぞれの種類や特徴を踏まえて、初心者におすすめの方法を解説していきます。あなたの将来に必要なマネープランを考えてみましょう。
目次
資産形成と資産運用の違いとは?
資産形成とは、何もない状態から資産を1から築き、積み上げていくことです。
一方で資産運用とは、形成した資産を活用して効率的に増やしていくことをいいます。
たとえば労働した対価の「給与収入」を積み立てていくことも資産形成の1つと言えるでしょう。
しかし定年まで給与収入があったとしても、その後の収入が無くなることに漠然とした不安がある人も少なくありません。少子高齢化問題も相まって、老後の資産を自分で用意しなければならない時代です。その方法としてさまざまな資産運用方法が注目されています。
まずは地道に資産を形成し、形成した資産を運用することで更に増やしていく・・・・・・資産形成と資産運用はつながっているのです。
両方を組み合わせることで資産は増加を目指していきましょう。
資産形成の主な種類
まずは資産を築くための「資産形成」の主な種類についてご紹介します。
主な資産形成
- 積立定期預金
- 国債
貯蓄としても、運用するためにも、まずは資産を形成することが第一歩です。
積立定期預金
積立定期預金とは、自分で金額・期間を設定して銀行に一定額を定期的に積み立てていく資産形成方法です。
進学費用や旅行費用など、「いつまでにいくら貯める」という目標がある場合には効果的といえます。
また元本保証があるので、積立期間中に預けた金額が減らないことが保証されており、低リスクで確実に資産形成をしたい人におすすめです。
国債
国債とは、国が発行する債券のことです。
国へ一定期間、一定額を貸すことで利子を受け取ることができる仕組みです。
個人向け国債の種類は10年債、5年債、3年債と分かれており、満期時には元本と利子を受け取ることができます。
銀行に預け入れるよりも金利が高いため、定期的に購入することで財産形成効果があります。
資産運用の主な種類と特徴
形成した資産は、運用することで増えていきます。
「何から始めたらいいか分からない」「リスクはないの?」「将来へ向けて資金を増やしたい」・・・・・・
漠然と悩みがあるかもしれません。ですが資産をただ保有しているだけの人と、少しずつでも運用を始めた人には、だんだん大きな差が開いていくでしょう。
初心者からでも始めやすい資産運用の種類と、それぞれの特徴をご紹介します。
主な資産運用
- 投資信託
- 株式
- 外貨預金
- 不動産
- ソーシャルレンディング
- 仮想通貨
まずは自分に合った資産運用方法を選ぶことが大事です。
投資信託
投資信託とは、あなたをはじめ多くの投資家から集めた資金を元に、投資のプロが運用して得た利益を投資家に分配する仕組みの金融商品のことです。
基本的にいつでも売却して換金することができるので、急に資金が必要になった時に元本が戻ってくる安心感があります。
ただし、仮想通貨は注文から約定まで1日~2日程度のタイムラグがあるほか、値動きが小さい傾向があるため短期売買には向きません。
長期的に運用したい人に向いている投資と言えるでしょう
株式
投資信託に比べると安全性は低いですが、大きな収益が見込めるのが株式投資です。
上場している株式会社の株を証券会社を通して購入し、その会社を応援します。
その会社の事業がうまくいけば、保有している株数に応じて配当金を受け取ったり、株主優待を受けることができます。
従来は100株単位(1単元)でしか株を購入できなかったので、たとえ1株が1,000円でも100株(1単元)購入するには100,000円必要でした。ところが最近は1株から購入できる「単元未満株式」購入制度もあり、少ない資金でも株式投資を始めやすくなっています。
1株からでも配当金をもらえる場合がありますので、配当金という不労所得を得ることができます。
また、株の売買で利益を出す方法もあります。株は値動きするので、購入時より高くなったタイミングで売却すれば、その差額が利益になります。
買い手がたくさんいる人気の株ほど売却益を狙いやすいので、これから成長する会社を見極めることも必要です。
外貨預金
外貨預金とは、日本円を両替するなどして入手したドルやユーロなどの外貨を銀行に預けることです。
現在、日本円に比べて外貨のほうが金利が高い傾向にあり、銀行に預金するだけなので初心者でも手を出しやすい運用方法です。
自分のタイミングで預け入れできる「外貨普通預金」と、満期まで引き出せない代わりに金利が変動しない「外貨定期預金」があります。
円安・円高によって為替差益(プラス)・為替差損(マイナス)が出やすいので、複数の外貨に分散して運用するとリスクも分散されます。
不動産
資産運用としてイメージしやすいのが「不動産投資」です。
マンション・アパート・戸建てなどの不動産を購入して他の人に貸し出すことで、家賃としての収入を得られる運用方法です。
ほかの運用方法に比べると初期投資が高めですが、ローンを組んで不動産を取得する方法もあります。
不動産の場所・家賃をうまく設定できれば、毎月安定した収入を得られる一方、物件の経営・管理には大きな労力がかかるという特徴もあります。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、「資金が必要な企業」と「投資をしたい投資家」をマッチングさせる融資仲介サービスです。
複数の投資家から集めた資金をソーシャルレンディングの運営会社が取りまとめて、企業へ融資します。融資を行った投資家は、融資額に応じた利息を受け取ることによって利益を確保します。案件によって異なりますが、比較的利回りが高いのが特徴です。
ソーシャルレンディングの運営会社が資金を集めて運用するので、株式のようにチャートを気にしたり、経済ニュースをチェックしたりする必要はありません。投資家は融資してしまえば、案件の満期まではただ待つだけで良いのです。
ただし、案件によって運用期間が設定されているため、途中解約はできません。融資した案件の満期まで、他の案件への融資ができない一点集中型です。
案件がうまくいかなければ貸し倒れのリスクはあるものの、うまくいけば融資額に応じた高い分配金を得られるため、相応にリスクとリターンのある資産運用方法でもあります。
仮想通貨(暗号資産)
仮想通貨(暗号資産)とはインターネット上に存在するデジタル通貨のことで、ビットコインやイーサリアムなどをはじめ、約15,000種類ほどの銘柄があるとされています。
これらの銘柄は仮想通貨取引所を通じて売買することができ、需給バランスに応じて価格が変動するため、トレードによる売買益を狙うことができます。
また、マイニングやステーキングと呼ばれる方法で仮想通貨の運営に貢献することで報酬を得ることができるほか、近年成長が著しいWeb3の分野ではNFTやDeFiなど新しい金融テクノロジーによる経済活動が活発に展開されています。
投資としてはハイリスク・ハイリターンの傾向が強い部類となりますが、最先端のデジタル分野への関心が高い投資家にとっては、奥が深く魅力的な分野と言えるでしょう。
初心者はどのように始めるべき?
初心者は、まず資産形成から始めましょう。
生活費や将来確実に必要なお金を除いて、当面使わないお金が一定額貯まったら資産運用で増やすといいでしょう。
失敗が怖い気持ちもあると思いますが、資産形成と資産運用、それぞれ複数の方法を組み合わせることでリスクを分散できますので、どんどんチャレンジしてみましょう。
100円から始められて利益が非課税になる「NISA」や、掛け金の全額が所得控除になる確定拠出型年金制度「iDeCo」は少額から始められてリスクも低いので、ぜひ活用していきたいところです。
まとめ
資産形成と資産運用は自分に合った方法で無理なく進めることが大事です。
自身のライフプランを見直し、いつまでにいくら必要なのか、そのためにどうやって資産運用し、資産を形成していくか考えてみましょう。
資産運用は思惑通りに進めば利益が出る半面、想定外の事案が発生して損失を被るかもしれません。
しかし損失を恐れて行動を起こさなければ、資産は増えてはくれません。
思い立った今こそ、ぜひ最初の一歩を踏み出してみましょう!
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