クラウドファンディングの種類とは?特徴や仕組みをわかりやすく解説

「クラウドファンディングってよく聞くけど、どんな種類があるの?」
「投資や支援をしたいけど、自分に合ったクラウドファンディングを選ぶ方法がわからない…」
このように、クラウドファンディングに興味があっても、その仕組みや種類について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
クラウドファンディングはインターネットを通じて資金を募る仕組みですが、目的やリターンの仕組みに応じてさまざまなタイプがあります。
本記事では、クラウドファンディングの4つの種類とそれぞれの特徴・仕組みを初心者の方向けにわかりやすく解説していきます。
自分に合ったクラウドファンディングの選び方がわかるように、メリット・デメリットや注意点もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人(群衆=Crowd)が資金を提供し、プロジェクトや事業を支援する仕組みです。
もともとは、企業や個人が資金を集める手段として広まりましたが、近年では投資家にとっても新たな資産運用の選択肢として注目されています。
クラウドファンディングの大きな特徴は、少額から投資が可能であることです。
従来の投資では、株式や不動産などまとまった資金が必要でしたが、クラウドファンディングでは1万円や数千円といった小額から投資できる案件が多く、初心者でも始めやすいのが魅力です。
また、株式や不動産投資とは異なるリターンの仕組みがある点も特徴的です。
プロジェクトによっては、金融商品としてのリターンを得られるものもあれば、応援したい企業や事業への出資としてリターンを重視しないスタイルのものもあります。
投資家としては、どのようなリターンが期待できるのか、またリスクはどの程度あるのかを見極めることが重要になります。
次の章では、クラウドファンディングの具体的な種類とそれぞれの投資家向けの特徴について詳しく解説していきます。
クラウドファンディングの種類一覧
それでは、クラウドファンディングの種類について見ていきましょう。
クラウドファンディングには大きく分けて4種類ある
クラウドファンディングは「購入型」「寄付型」「投資型」「融資型」の4つに大きく分類されます。
さらに、「投資型」の中には「不動産型」という分類もあるほか、「融資型」は「ソーシャルレンディング」と呼ばれる場合もあります。
それぞれの仕組みや特徴を理解し、自分の投資スタイルに合ったものを選ぶことが重要です。
購入型クラウドファンディング
購入型クラウドファンディングとは、プロジェクト支援の対価として商品やサービスを受け取るタイプのクラウドファンディングです。
資金を提供する支援者(投資家)は、金銭的リターンではなく商品の先行入手や限定特典といったリターンを受け取る仕組みになっています。
購入型クラウドファンディングの特徴
- 投資ではなく「先行購入」に近い
- リターンはプロジェクトに関連した商品やサービス
- 目標金額に達しなかった場合、資金が返金されることもある(All or Nothing型)
投資家視点のポイント
購入型クラウドファンディングは、金融リターンを目的とした投資ではないため、資産運用には向いていません。しかし、新しい技術やユニークなアイデアに早期から関わることができる(応援できる)という魅力があります。
しかし、購入型はプロジェクトの実行が保証されているわけではなく、リターンが未達成になる可能性もあるため、そのリスクを理解しておく必要があります。
代表的なプラットフォーム
代表的なプラットフォーム
- Makuake(マクアケ)
- CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
寄付型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディングは、見返りを求めずに支援するタイプのクラウドファンディング です。災害復興支援やNPO活動の資金調達など、社会貢献を目的としたプロジェクトで活用されることが多く、基本的に支援者には金銭的リターンや商品・サービスの提供はありません。
寄付型クラウドファンディングの特徴
- 資金提供の目的は「寄付」
- 社会貢献や慈善活動を支援できる
- 税制優遇(寄付金控除)が適用される場合もある
投資家視点のポイント
寄付型クラウドファンディングは、投資や資産運用の手段としては適していません。一方で、社会貢献や応援したい団体を直接支援できるというメリットがあります。
特に税制優遇が適用される場合は、寄付を通じた節税の選択肢として活用することも可能です。
代表的なプラットフォーム
- Readyfor(レディーフォー)
投資型クラウドファンディング(株式型・ファンド型)
投資型クラウドファンディングは、支援者が企業に資金を提供しその見返りとして株式や利益分配を受ける仕組みのクラウドファンディングです。受けられるリターンに応じて「株式投資型」や「ファンド投資型」などに細分されます。
ベンチャー企業やスタートアップの資金調達手段として活用されることが多く、投資家は成長企業への出資を通じて高いリターンを得る可能性があります。
投資型クラウドファンディングの特徴
- 株式投資型:資金提供の対価として未公開企業の株式を取得
- ファンド投資型・不動産型:事業の売上や不動産投資の利益の一部を分配として受け取る
- 長期的な視点での成長期待が重要
- 高いリターンの可能性があるが、投資リスクも大きい
投資家視点のポイント
投資型クラウドファンディングは、ベンチャー企業に対するリスク投資の一形態であり、株式市場では取引できない未公開株を取得するケースが多いです。そのため、投資先の成長がなければ株式の売却益も得られず、投資資金が回収できないリスクもあります。
一方で、成功すれば大きなリターンを得られる可能性があり、エンジェル投資家としての楽しみもあるため、スタートアップ投資に関心がある投資家には魅力的な選択肢となります。
なお、ファンドが不動産へ投資する「不動産型」も投資型クラウドファンディングに含まれますが、ファンドが不動産事業を行う企業等へ貸付する仕組みの場合は「融資型」に分類されます。
代表的なプラットフォーム
- FUNDINNO(ファンディーノ)
- ユニコーン
融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
融資型クラウドファンディングは、投資家が企業や個人に資金を貸し付け、利息を得ることでリターンを得る仕組みのクラウドファンディングです。ソーシャルレンディングとも呼ばれています。
事業者にとっては、銀行融資よりも柔軟な資金調達手段となり、投資家にとっては比較的安定した利回りを狙える資産運用方法となります。
融資型クラウドファンディングの特徴
- 投資家は融資を通じて金利収入を得る
- 株式投資よりも値動きが少なく、比較的安定した利回り
- 一定期間資金を拘束される
- 貸し倒れリスクがある
投資家視点のポイント
融資型クラウドファンディングは、安定した利回りを求める投資家に向いている反面、元本保証がないため、貸し倒れリスクを考慮する必要があります。
特に、プラットフォームや案件の選定が重要で、事業者の信頼性や過去の実績を確認することが必須です。案件によっては年利5~10%程度の高利回りが期待できるものもありますが、その分リスクも高くなるため、分散投資を意識することが大切です。
代表的なプラットフォーム
代表的なプラットフォーム
- クラウドバンク
- オーナーズブック
- LENDEX
どのクラウドファンディングを選ぶべき?
クラウドファンディングにはさまざまな種類がありますが、どれを選ぶべきなのでしょうか?クラウドファンディングの選び方と注意点について見ていきましょう。
クラウドファンディングの選び方
クラウドファンディングを選ぶ際に投資家として重要なのは「自分の目的に合ったものを選ぶこと」と「リスクを理解すること」です。
安定した利回りを求めるなら、不動産型や融資型(ソーシャルレンディング)が選択肢になります。 これらは比較的リスクを抑えつつ、定期的な収益を期待できる点が特徴です。
一方で高いリターンを狙いたいなら、投資型(株式型・ファンド型)が有力な選択肢です。成長企業への投資によって大きな利益が得られる可能性がありますが、未上場企業の倒産リスクもあるため慎重な判断が必要です。
もしも経済的な利益ではなく支援や社会貢献を目的とするなら、購入型や寄付型が向いています。
リターンは商品やサービス、あるいは支援の達成感のみとなるため、投資というより「応援する気持ち」が大切になるでしょう。
クラウドファンディングを利用する際の注意点
クラウドファンディングを利用する際は、以下の点に注意しましょう。
✅ 元本保証がない
クラウドファンディングは預金とは異なり、元本が保証されていません。融資型や投資型では、プロジェクトが失敗すれば投資額が戻らない可能性があります。リスクを理解し、無理のない範囲で投資しましょう。
✅ 途中解約できないことが多い
多くのクラウドファンディング案件では、一度投資すると満期まで資金を引き出せません。運用期間を確認し、長期間資金が拘束されても問題ないか考えてから投資しましょう。
✅ 信頼できるプラットフォームを選ぶ
クラウドファンディングの運営会社の信頼性が重要です。過去の実績や投資家保護の仕組みを確認し、怪しいプラットフォームを避けることが大切です。
✅ 分散投資を意識する
一つの案件やプラットフォームに資金を集中させると、万が一の際に大きな損失を被る可能性があります。複数の案件に分散投資することで、リスクを抑えることができます。
クラウドファンディングは魅力的な投資手段ですが、適切な選び方とリスク管理が重要です。慎重に判断し、リスクとリターンのバランスを考えながら活用しましょう。
まとめ
いかがでしたか。
この記事ではクラウドファンディングの種類や選び方、注意点について解説してきました。
この記事のまとめ
- クラウドファンディングには「購入型」「寄付型」「投資型」「融資型」の4種類があり、それぞれ仕組みやリターンの有無、リスクの度合いが異なる。
- 安定した利回りを求めるなら不動産型や融資型、高リターンを狙うなら投資型が有力な選択肢。一方、社会貢献や新しいプロジェクトの支援を目的とするなら、購入型や寄付型が適している。
- クラウドファンディングには元本保証がなく途中解約が難しい案件も多い。リスクを理解したうえで、分散投資を意識することが大切。
それぞれの特徴を把握し、自分の目的に合ったクラウドファンディングを選びましょう。
なお、毎月の配当金を狙うにはクラウドファンディングだけでなく、さまざまな投資方法があります。
実際の投資先別シミュレーションを見てみたい方は、こちらの記事も併せてご覧下さい。

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